中学受験は、親離れを促進します。
親離れとは生物学的に「反抗期」を意味します。
中学受験によって、頭脳をより早く成長させることによって、精神もまた早く成長します。親の言うこときかなくなるのは当たり前のことです。
ところが、親の方がそれに追いついていけない。
「いつまでも子離れしたくない!」という感情が働き、場合によってはそれが暴力的なまでの支配欲になり、子供を管理しようとする。
「小4まではちゃんと言うことを聞いていたのに!ムキー」みたいなやつですね。
もちろん、スケジュール管理やテキストの丸付けなどのマネージメント(管理)は必要です。
しかし、コントロール(管理)しようとしては、子供と親のストレスがどんどん溜まり、学習意欲の低下につながりかねません。
特に父親は要注意だと思います、自戒を込めて。
「部下」を「子供」に変えるとあら不思議
昨年出版された新書で、太田肇『がんばると迷惑な人(新潮新書)』(→amazon)があります。
太田さんは同志社大の教授で、個人を尊重する組織の研究が専門。
そこにこんな一文があります。
彼らの多くは「忙しすぎる」と不満をもらしながら、よく見ると部下の態度や行動まで必要以上に管理しようとしています。
そして自分に依存する部下を心のなかでかわいく思い、仕切っている自分を誇らしく感じているものです。(略)
こうした関係が続くかぎり部下はいつまでたっても成長できないし、一人前の仕事ができるようにもなりません。
(122ページより引用)
「部下」を「子供」に変えるとあら不思議。受験生の父と子の関係になりましたとさ苦笑
心配ありません。
多かれ少なかれ、皆そうです。
この文を読んでドキリとした人は「塾なしで受験」なんて高尚な手段はとらないほうが無難。
にしても、この本、「うん、うん、こういう人いるよね」と読んでて笑えますが、
隣の同僚に「MICHIZANEさんって、まさにこんな感じです」と笑われてしまう――そんなスリルまで楽しめるお得な1冊です。
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